乳房再建手術は乳房切除した後に、お胸の皮膚を半年くらいかけて引き延ばし伸びた皮膚の下にシリコーンパッドを入れて乳房を再現する方法です。

【乳房再建手術って誰でもOKなの】
誰でも手術を受けれるわけではありません。基本的にシリコーンパッドを胸の中に入れて形を作り、それにお腹などの自家組織をプラスして形をつくる場合が多いようです。
そのため、乳房の下垂の状態が大きかったり、体格が良くて横幅に広い乳房だったり、あるいは手術により組織を削る量が多くて皮膚を伸ばす限度を超えるような場合、手術が困難なことがあるようです。

【乳房再建手術ってどうやるの】
手術したお胸の皮膚を引っ張って伸ばしそこにシリコーンパッドや自分の脂肪などを入れて形を作るものです。
方法としては第一回目の手術で、生理食塩水を入れたエキスパンダーと呼ばれるバックを胸の中にいれ、少しづつ整理食塩水を増加注入して胸の皮膚を引っ張って伸ばします。
その期間は半年ほどかかるようです。そしてお胸の皮膚が伸びてきたら2回目の手術で患者様に合うシリコーンパッドを胸の中に入れ、形を整える必要がある場合、患者の胸などから脂肪を切り取ってきて胸の中に入れて形を整えます。その際はお腹など切り取った部分には傷跡が残ることがあるでしょう。

【乳房温存手術】
乳房切除手術ではなく「乳房温存手術」という手術があります。言葉から自分の乳房が温存されるのではないかと思われると思います。
しかしこれは「乳房一部切除術」というべきものです。患者様の中には本当に一部を切除してあまり術痕がわからない方もいらっしゃいます。
ですが多くの患者様は乳房の形が大きく変形することが多いです。ですので術後の形状についての過度な期待はしなようにしたほうが賢明です。

【2つの乳房再建手術方法】
乳房再建手術は乳癌手術のために乳房を摘出した後に、再度手術をする方法と乳腺外科の医師と形成外科の医師が協力して乳房摘出時に同時に再建の手術に入る「同時再建」の方法があります。

【時間を置いてからの乳房試験手術】
乳がん摘出手術の後に時間を置いてから乳房再建手術をすると手術痕を見てからどうするか良く考えて再建手術を決断できるというメリットがあります。
とりあえず何もしないまま過ごすとかパッドを使ってみて過ごすとか貼り付けタイプの人工乳房を使ってみて決断がついてから手術を受けるということができます。

【同時再建手術】
乳房摘出手術を受けたあとに再度乳房をつくる手術を受けるという2度の手術を受けずに1回で2回分の手術を受けれるというメリットがあります。
ただし乳房再建後の乳房は元の形のとおりにうまく完成するとは限らず、その際「こんなはずではなかった」などという喪失感などを感じることも考えられます。
逆に乳房再建手術を受けて乳房がなくなった状態の胸を自分の目で見てから乳房再建手術を受ける場合、「あの状態から良くここまで形ができた」というふうに同じ状態の乳房にできあがっても感じ方が違う場合があります。

【乳首の再建】
乳首の再建手術は乳房再建手術後に再度実施することになります。乳房再建手術を受けただけでは乳房は出来上がりますが乳首はありません。
そこでいくつかの方法で乳首を再建するのですが、股間の色の濃い部分の皮膚を切り取って乳首を作る方法や健常な乳首の半分を切り取り移植する方法、入れ墨で表現する方法があります。さらにリアルなものとしては貼り付けタイプの人工乳房メーカーが製作している貼り付けタイプの人工乳首を張って再現する方法があります。

【乳房再建手術のメリットとデメリット】
<メリット>
自分の胸が自然に完成した時、その喜びは何物にも代えがたいものがあるでしょう。
普段の生活で胸を出す夏場の服を着るときも困らないしスポーツをする際にも胸元を気にしたりブラジャーのずりあがりを気にすることもなくなります。
胸が大きな人でなければお風呂に入るときも気にならなくなるでしょう。

<デメリット>
1、胸の中にシリコーンパッドを入れて形を作るので形を動かせない。そのため、胸の大きな人の場合、ブラジャーの中に入れた状態の形で形成する場合が多い。その際に温泉など人目があるところで裸になる場合、健常な乳房は下がり形成した乳房はブラジャーの中に入る状態なのでアンバランスが目立つことがある。
2、皮膚を引き延ばすエキスパンダーを入れる際とシリコーンパッドを入れる際と2回の手術を受ける心理的負担があるのでそのあたりを患者様がどう考えるかということで実施するかどうか変わってきます。
3、胸の中に入れたエキスパンダーで皮膚を引っ張って伸ばすので傷みを我慢できるかどうかということがあります。
4、胸の中に入れたシリコーンパッドからシリコーンが漏れ出すことがあるので2年に1回は検診が必要。もちろん術後検診があるのでその際に検査すればよいでしょう。シリコーンが漏れ出している場合は交換手術が必要です。
5、健常な胸が下垂している場合、再建手術した胸を下垂させるには限度があるので健常な胸を手術してアップさせて再建手術した胸の形状と合わせることがある。つまり両胸を手術する場合がある。
6、乳癌が再発した場合、シリコーンパッドの影響で発見がしずらいと主張する医師もいる。
7、経年で健常な胸は下垂してくるが再建手術した乳房は下垂しないのでアンバランスになる場合がある。
8、シリコーンパッドは約10年後、入れ替え手術をする必要がある。また乳房再建手術の際、保険適用になっているが、シリコーンパッドの入れ替えの際には保険は効かない(2019.03月現在)
9、乳房再建した胸は収縮するため、完成形を健常な胸と同じにするのが難しい。また自家組織つまり脂肪を入れた場合、収縮して小さくなることが多い。つまり希望の形にならないこともある。
10、感染症にかかることがある。

このようにメリット、デメリットがあるので良く医師と相談して決定していきましょう。